籠池氏喚問へ: 自民「寄付」沈静化狙う

衆院外務委員会で学校法人「森友学園」に絡む問題について民進・福島伸享氏の質問に答える安倍晋三首相(左)。右奥は稲田朋美防衛相=国会内で2017年3月17日午後4時26分、川田雅浩撮影

 ◇「首相侮辱」理由、野党が批判

 森友学園の籠池泰典理事長の証人喚問が、17日の衆参両院の予算委員会で議決された。自民党は野党が求める参考人招致に慎重だったが、籠池氏が「安倍晋三首相から昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と16日に発言したことで、一転してより重い証人喚問を野党に提案。23日の喚問で「寄付」問題の沈静化を狙う。ただ、「首相への侮辱」を理由に喚問に突き進んだ与党に、野党は批判を強めている。

 安倍首相は17日の衆院外務委で「そもそも(首相自身が)会っていない人物に100万円を寄付するのはあり得ない。昭恵は寄付した時も領収書をきちっと集めるが、確認すると、事実が全くないと本人が言っている」と述べ、改めて森友側への寄付を否定した。

 籠池氏招致に関し自民党はこれまで、出頭を強制されない参考人招致でさえ「民間人招致は慎重であるべきだ」と拒んできた。しかし首相が名指しされると急転換。偽証罪にも問える場で真偽をただし、籠池氏の一方的発信を封じる考えだ。

 自民の竹下亘国対委員長は17日の記者会見で「籠池氏がさまざまな話をして事態が変わったと判断せざるを得ない状況になった」と説明。公明党の井上義久幹事長も会見で「フェーズ(局面)が変わった」と同調した。

 ただ、竹下氏が16日夜に「首相に対する侮辱だからしっかり受け止める」と語っていたことに野党は反発する。

 民進党の福山哲郎幹事長代理は17日の参院予算委理事会で「ずっとゼロ回答だった与党がいきなり証人喚問に(格を)引き上げた。『首相が侮辱されたから喚問』というのは全く理屈が合わない」とかみついた。榛葉賀津也参院国対委員長も「自分の親分(首相)の潔白の証明には証人喚問で(応じ)、税金の無駄遣い(をただすため)の参考人招致は拒否する。ダブルスタンダード、支離滅裂だ」と記者団に語った。

 もっとも、証人喚問の結果次第では、野党がさらに強硬に昭恵夫人の釈明を要求する可能性もあり、政権側にも喚問のリスクは存在する。一方で野党も籠池氏の発言の信ぴょう性を測りかねている。小学校建設を巡り、金額が異なる複数の契約書が明るみに出るなどしたためだ。2006年の偽メール問題の経験もあり、民進党幹部は「こういう話は欲を出すと危ない。慎重に対応せねばならない」と警戒感を示した。【朝日弘行、飼手勇介】

2017年03月17日 22時18分

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