中国: 李首相「貿易戦争、米に損害」…全人代が閉幕

 【北京・河津啓介、赤間清広】中国の李克強首相は15日、第12期全国人民代表大会(全人代=国会)第5回会議の閉幕に合わせて記者会見した。米中関係に関し「貿易、投資で米国に100万人もの雇用を創出している」と強調しつつ「貿易戦争が起きれば米企業がまず損害を受ける」とトランプ米政権をけん制。「自由貿易を堅持する」とも述べ、米国で強まる保護主義志向に警鐘を鳴らした。

 李首相は、台湾と中国は密接不可分とする「一つの中国」政策が米中関係の「政治的基礎」と指摘した。

 また、緊張が高まる朝鮮半島情勢については「各国に緊張を緩和し、対話による解決を目指す努力が求められる」と自制を促した。

 今年の経済成長率目標は前年を下回る「6.5%前後」とされたが、李氏は「達成は容易でない」と説明。一方、「経済の質と効率の向上に力を入れる。中国は依然として世界経済のエンジンだ」と述べ、潜在力に自信も示した。

 15日の全人代閉幕式では今年の経済成長率目標を含む政府活動報告を採択。前年実績比7%増の国防費1兆443億9700万元(約17兆2000億円)を含む予算案も採択した。

 さらに最高人民検察院(最高検)と最高人民法院(最高裁)の活動報告も採択された。最高検の報告によると、昨年に汚職事件で立件した閣僚級以上の高官は21人(前年比20人減)と反腐敗運動のペースは鈍ったが来年に腐敗を取り締まる国家機関「国家監察委員会」が新設される。最高裁の報告は、5年に1度の中国共産党大会を秋に控え、人権、言論活動の締め付けを強める姿勢を示した。

 一連の活動報告の採決結果は昨年に比べて批判票が減った。党大会を前に習近平国家主席への忠誠を求める空気を反映したようだ。

2017年03月15日 13時14分

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