東芝: 半導体事業に公的資金投入案 技術流出歯止めへ

東芝本社=東京都港区芝浦で2017年1月20日、本社ヘリから

 経営再建中の東芝が分社化する半導体事業を巡り、政府が公的資金を活用して関与する案が浮上している。日本政策投資銀行や官民ファンドの産業革新機構が半導体新会社の株式の一定割合を保有するもので、技術の海外流出に歯止めをかける狙いがある。

 東芝は半導体事業を分社して「東芝メモリ」を設立し、同社株の過半数を売却することにしている。売却先を決める入札は29日に応募を締め切り、10陣営程度が参加する見通し。東芝と半導体事業に共同投資する米ハードディスク大手のウエスタン・デジタルや、半導体大手の米マイクロン・テクノロジー、韓国SKハイニックスなどが意欲を示し、シャープを傘下に収めた台湾の鴻海精密工業も参加が見込まれている。

 これに対し政府内には「基幹となる産業技術が中国などに流出することは好ましくない」として新会社に関与すべきだとの声が出ている。具体的には、政投銀や産業革新機構などが合同で、東芝メモリの3分の1以上の株式を保有する案が浮上。合併など経営にかかわる重要な議案に拒否権を行使できるようになり、海外流出に一定の歯止めをかけることができる。

 東芝が持つスマートフォンの記憶媒体に使われる「フラッシュメモリー」は国際的に高い競争力があり、新会社の事業価値は2兆円規模とされる。東芝は米原発事業で7000億円を超える損失を計上して債務超過に陥る見通しになっており、新会社の過半数の株式を1兆円超で売却し、財務を立て直す考えだ。

 東芝は入札参加者に対し、主力の四日市工場を「活用」することを求めたり、転売を予定している企業には詳細な計画の提示を求めたりして雇用や技術の海外移転を防ぐ構えだ。しかし、どこまで拘束力を持たせることができるかは不透明なため、政府は一定の関与が必要との判断に傾いている模様だ。ただ、東芝への公的資金の活用は企業救済と受け止められかねず、一部には反対意見も出ている。【秋本裕子、坂井隆之】

2017年03月18日 20時44分

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